おおばあちゃんの味

20年ほど前に亡くなった曾祖母が梅干しといっしょに漬けていた紅生姜が私は大好きだった。
紅生姜と言って思い浮かぶのは焼きそばや牛丼に添えられている、細切りの真っ赤なもので、購入しようと思えば真っ赤ではなくとも形はやはり細切りで液体に浸かった状態で売られているものしか見あたらない。
でも曾祖母が漬けるのは細切りではなく小ぶりの固まりで液体にも浸かっていなかっため、私の記憶の中では「まつばあちゃんのおしょうが」(曾祖母はまつというので)という名前でいわゆる紅生姜とは別物の存在だった。
曾祖母が亡くなってから祖母も母も私の記憶では作っておらずとんとお目にかかれずに長年過ごしてきた。
ところが、数年前京都の錦小路でそっくりの生姜漬けを見つけたのだ!
曾祖母のものより若干大きな固まりではあったけど、紫蘇の葉色といい、乾いた状態といい、まさしくあの「おしょうが」で、お味も同じ作り方をされているものだと思われた。
今年新生姜でガリを漬け終わった時、ふと思い立ってネットで生姜について検索してみたところ、「まつばあちゃんのおしょうが」は紅生姜なのだということが判った。
それでは普通に見かける細切りの紅生姜と同じなの!?!?ということになるが、
結局本来紅生姜は紫蘇で漬けられるべきものだったのに、赤い色を着色料でつける為あの毒々しいチープな色になってしまっていたというわけだ。
着色料を避ける向きにはうすピンクのモノも売られているが、赤紫色のものは見たことがないのはなぜだろうと疑問に思った。
そこで、ネットで作り方を色々調べてみてみると、塩漬けにした後、日に干して生姜の水分をしっかり取り除いておかないと、赤紫の綺麗な色が付きにくいのだそうで、その工程を省く手っ取り早い作り方をすると、着色料を使わないバージョンとしては白梅酢で漬けるという方向へ行ってしまったのではないだろうか。
以上前置きがなが〜〜くなってしまったが、今年私は紅生姜作りに初挑戦することにしたというわけ。
おおばあちゃんの味_b0034284_822538.jpg明日は晴れるという天気予報を信じ、紅生姜作りをスタートさせる。
先ずは新生姜を適当な大きさに切り分け5%の塩に丸一日漬ける。
「まつばあちゃんのおしょうが」は本当は谷中生姜で作られていたのだが、とてもお高くついてしまうため、新生姜で我慢。
京都の錦小路のもやはり新生姜製だった。


おおばあちゃんの味_b0034284_831854.jpg予報通り快晴に恵まれベランダに干す。
左下の白いモノは、ボビンレースの道具の一つで中に麦わらが詰まっている為たまに日に干して乾燥させているところ。

おおばあちゃんの味_b0034284_83129.jpg干し初めはこんな感じ


おおばあちゃんの味_b0034284_833961.jpg夕方になるとこのぐらい乾いた感じに。
違いは判るかなぁ。

おおばあちゃんの味_b0034284_835473.jpg次ぎに紫蘇梅酢で一週間仮漬けする。

おおばあちゃんの味_b0034284_842461.jpg運良く8日目の今日快晴となり、一旦取り出して再度干す。
この工程が色を良くするだけでなく、保存性も良くするのだとか。

おおばあちゃんの味_b0034284_816153.jpg夜になりもみ紫蘇と新しい梅酢で本漬け。
本来は梅酢も紫蘇も自家製といきたいところだけど、梅干しは頂き物やら母が漬けたのを食するので自分で漬ける意欲は湧かず、市販品で我慢。
一応着色料保存料などの有無はしっかりチェック。


ネットではこのあたりでもうできあがりという事になっていたが、曾祖母は梅干しと共に漬けていたのだから、更に土用干しの工程が待っている。

でもちょっと味見をしたくなり、本漬け前に一囓りしてみたら、間違いなくあの懐かしい味が。
う〜ん嬉しい、ルンルン♪気分だ〜〜!

実家の母にこの話をしたところ、自分が作らなかったのを私が挑戦してると聞いて、「あら、紫蘇は自分で揉んで作らないの?揉み紫蘇の工程で色が違ってくるのよ。私の梅干しは自分で揉んで作ってるわ」(。_゜)〃
以前ならカチンときていたところではあるが、たぶん上手く出来そうな事の嬉しさが上回り、悔しくもなんともなかったのだった(^凹^)

こんな話を長々書いている時間があったら、作品作りをしろ!!というもう1人の自分が。
ラストスパート頑張るぞ!!
by with-Mint | 2008-07-05 23:01 | daily life

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